児島注目のデニムクリエイター~温故知新~

 KOJIMA DENIM CREATOR INOUE HAJIME

2011/08/04

デニム岡山

さわやかな新緑の季節、突撃したのは児島のファクトリーブランドTCBの代表 井上一(いのうえはじめ)さんです。今回のレポーターは井上さんをよく知るビジネスパートナーTasty逸見明子。

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また井上さんを昔からよく知る安藤さんにも参加していただきました。ここは安藤さんが経営する児島ジーンズストリート内のデニムショップMuuSAN63(ムーサン)です。

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内藤君はレポートしません・・・

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さあ、いよいよ対談スタート。

デニムクリエイター 井上一

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逸見:真面目なんですよ(笑)

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井上:(笑)

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安藤:とにかく縫製が好きです..この子!

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ジーンズを作りたい、手抜きはしたくない、という想いが昔からすごくありますね。だからどんどん良いものが出来るんじゃないかと思うな。普通の会社の社長とは全然ちがう!

逸見:ほんと そうですよね。お二人は、井上さんと古いお付き合いなんですか?

安藤:えっとーかれこれ30年かな?・・・(笑)昔から知っていて、成功して欲しいと応援していた人の1人ですね。

井上:そうですね。安藤さんも、もともと縫製工場をされていたので、ミシンを貸してもらったり‥仕事前に朝ご飯をご馳走になったり、そういう時もありましたねー。

安藤:そうそう、うちも納期が迫って間に合わない時は、「はじめくーん お願い手伝ってー」っとお願いすると、仕事終わってからでも、うちに来てどんどん手伝ってくれたりしたよねー。

逸見:やさしいっ。仕事とか会社っていう感覚をこえてますね。

安藤:そう 彼に一旦任せれば間違いないという感じかな。縫製がこんなに好きな人は滅多にいないと思うな。仕事としてじゃなくて、本当に好きでやっているっていう感じがします。経営者になれば少しは変わってくるじゃないですか・・普通。でもはじめ君はそれが無いんです。

逸見:そう、最初は好きだったのに、いつからか義務になっていく人が多いのに変わらないですよね。

井上:いや~、・・でもこれだけはやっぱり変わらないですかね?

安藤:うん 変わってほしくない(笑)

逸見:井上さんは初心を忘れないですよね。

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井上:まぁ自分自身がこういう気持ちでやり続ければ、 自社のカラーみたいなものを出していけるかなぁって思ってますね。仕様書だけでは伝わらない部分じゃないですか。

逸見:井上さんの場合確かに仕様書に書いてある以上のものが上がってくるので本当にすごいと思ってますよ。私の好みを把握してくれているんだなぁと。

井上:うん、この人こういうのが好きかなっていうのを想像しながら作ってますね。いつもありがとうございます(笑)

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勝負服としてのジーパン

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井上:何を作りたいって言われたら、安いジーンズから高級っていわれるジーンズまで、いっぱいあるじゃないですか、結局値段ってお客さんが決めるから安くても高くてもいいんですけど、でも心意気としては、勝負服っていわれるジーパンを作りたいと思ってますね。

逸見:ハイブランドと合わせても引かないぐらいのですね。

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井上:そうそう。

逸見:良いジャケットとあわせてもストンと入るみたいな・・私もそれはかなり意識していますね。

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井上:そう、これは始める前からそうだったんですけど、 好きな子とやっと初デートまでこぎつけて 「じゃあこれ履こう」って手に取って貰えるような服・・ これを作りたいんですね。

逸見:着る人が、心からカッコイイって思うデニムってことですよね?

井上:そうですね。別に仕事でもいいんですよ。これ着て仕事に行ったらテンション上がるーっ!みたいな。 そういうのを作っていきたいなぁって思ってますね。

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昔に融合させる今

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内藤:今日の井上さんはデニムonデニムですね。流行ってるんですか?

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井上:僕は作り手なんで、ファッションはあまり・・(笑)

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内藤:えーーー(笑)

逸見:たしかに今流行ってますね。

井上:うん、でも僕は昔からこのスタイルを好きでしていますけど、このスタイルは結構世間では「いいね」「ださい」「いいね」「ださい」っていう波が何回もありましたね。(笑)

内藤:自分の中で変わらずに好きなスタイルなんですね。

井上:そうそう。でも変わらないスタイルでも、やっぱりどこかで今年らしさっていうものはありますよね。昔のをひっぱり出してきちゃうと‥柄は可愛いけど、シルエットが当時っぽい・・とかね。

逸見:あー、あるある。古着とかはちょっと今な部分と融合したらいいですよね。

井上:そう、僕も逸見さんの服を作らせてもらう時に気を付けてることは、 逸見さんは元ネタの古着を結構持ってこられたりする時もあって構成の中に若干古着をいれさせてもらってますね。

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内藤:元ネタ?

逸見:自分がものを作りたい時にひらめきや刺激となる商品ですね。色や風合い‥リアルな雰囲気の見本ですね。

井上:形は今の形なんだけど、 色や風合いは古典的な作業着、ミリタリー、ボーイスカウトだったり、そういう温故知新的なミックス感がすごく良いんじゃないのかなぁって。

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ベテランのデニム縫製職人

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内藤:TCBの社員さんは、何歳くらいの方が多いんですか?

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井上:もちろん若手もいますし、最高は72歳のベテランの力も借りてます。

逸見:えっ 本当ですか?!

井上:ほんとほんと。いつも5時に帰るあの人、72歳。(笑)

逸見:見えな~い、全然見えない!!大ベテランじゃないですか。

井上:そう、アイロンしてもらってるんで 「70にして40肩っ」てのが本人の口癖なんですよ・・誰も笑えないっていう。(笑)

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内藤:ははは

井上:今の50~70代の方が児島が縫製全盛期を作り上げた方達なんですよね。その後は、どこの会社も中国の方への研修生制度に力いれていた時期があって、 僕らより上の30代、40代の方っていうのは全くいないんですね。僕はもともと県外から来た人間で、児島に来たばかりの時は、正直そのことがショックでした。

だから本当に50~70代の先輩達の知恵とか経験ていうのを受け継がないとと思っているので、僕らは教えてくださいって言ってるんですよ。

内藤:伝統ですね。

井上:そう。児島には今も伝統的な職人さんがいて、それらを受け継ぐ、若い僕たちが継承して発展させていく、県外の方、注目して下さっている方に対して、本当の意味でそのままの児島を見てもらえればいいなと思うんです。これからの児島を。

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未来のデニム縫製職人へ

DENIM OKAYAMA

井上:服に興味を持ちだした中学生の頃、雑誌のジーンズ特集とかって今ほどの情報量は全然ないんですよね。

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逸見:私たちが中学生の頃、ビンテージデニム全盛期でしたよね。懐かしい!

井上:そう。当時、ある特集で「ジーンズ工場に潜入!」みたいなのを見た時、かっこいい!って頭に刷りこまれた感覚があります。

それから二十歳になって、何の仕事をしようか悩んでいたときに、その時の刷りこみがほんとに蘇ったんですよね。その時の強い衝撃が活きてきたんですね。

僕は今、取材を受ける立場になっています。いつも雑誌の取材の時などに思っているのは、「有名になった自分を見てもらいたい」とか全然思っていないです。ただその記事を今の中学生や若い子が見てくれて、「あ、こんなところで作っているんだ」と刺激を受けてくれて、 かつての僕みたいに、将来について親とか先生に聞かれた時に、もしその時に何も決まっていなくて悩んでいるのなら、ふと思い出してもらって苦し紛れに「ジーンズづくりっ!!」て言ってほしいなぁって。(笑)

逸見:(笑)

井上:ジーンズ作ってみたいなぁっていう人が1人でも増えてくれたらすごい嬉しいです。僕もそうだったんで、それを繰り返していけたらなぁって思っていて‥目標ですよね。

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逸見:今回あらためて井上さんとお話をして、初心を忘れないことの大切さに気付かされました。また、私もそうなんですが好きなことを仕事にすると、何が起こってもそれをあまり苦労とは思わないんです。なので、服が好き!ものづくりが好き!という井上さんのようなスタンスの勢いのある作り手さんがこれから児島にたくさん集まるといいなと心から思いました。

モチベーションの上がる、楽しい対談でしたp(^-^)q ありがとうございました!

DENIM OKAYAMA

井上さん、安藤さん、逸見さん、本当にありがとうございました。

児島というまち、職人たちのモノづくりが、かつて少年の心をとらえ、今まさここ児島で自らその伝統を受け継ぎ、新たな一時代を築こうとしています。先人の伝統を継承することでこそ、新たな本物の価値を生み出すことができる、それはまさに温故知新という言葉通りのモノづくりです。

井上さんがその言葉を実践していこうとするのは、本物の縫製職人として突きすすみたいという想いの現れだと感じました。

今後ともデニム岡山スタッフ一同応援しております。

TCB

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